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[コラム]


乾坤一筆
25日

ラグビーのニュージーランド(NZ)代表「オールブラックス」と日本代表のテストマッチ(11月2日、秩父宮)まで、あと1週間余り。遠征メンバー36人(うち27人が来日)も発表され「黒衣軍襲来」が迫ってきた。

先日、NZのテストマッチだった豪州との「ブレディスロー杯」(19日、NZ・ダニーデン)をテレビでみた。41-33でNZが貫禄勝ちしたが、こんなすごいチームをエディー・ジャパンはどう迎え撃つのだろうかと、あらためて思った。

ともにIRB(国際ラグビーボード)年間最優秀選手にも選ばれたFLリッチー・マコウ(32)、SOダン・カーター(31)のスーパースターは欠場。代わりに出た21歳のFLサム・ケーンが前半にトライ、24歳のSOアーロン・クルーデンが1T3G4PGの23点を決めるなど、若手がきっちりと仕事をこなしていた。

若手といえば、26年前の1987年、オールブラックス初来日の際にこんな思い出がある。日本選抜戦を控え、先発起用が決まったSHグレアム・バショップに話を聞こうと、宿泊ホテルに突撃(今ならちょっと問題になるかも)。部屋に居合わせたバショップにOKをもらい、いざ取材、とそのとき、同室の主が戻ってきた。その人の名はウェイン・シェルフォード。その年の第1回W杯を制したNZのNO・8として大活躍し、日本遠征からは主将を務めていた。そのシェルフォードがあのいかつい顔をさらに怖くして「NO!」。威厳に気おされ、結局、話を聞けないまま引き下がることになった。

ラグビーでは遠征した代表チームの主将は、団長とともに1人1室をあてがわれるのが慣習。しかしシェルフォードは1人部屋を他のベテランに譲り、自分は積極的に若手と同室になった。オールブラックスとしてどうあるべきかを教育するためだ。バショップはその後、91、95年W杯の主力となり、トップリーグのサニックスに入団。日本代表キャップ8も獲得しているが、当時は代表に選ばれたばかりの20歳。シェルフォードと過ごした夜は、その後のラグビー人生に大きなプラスとなったに違いない。

今回選ばれた36人の中にも、代表経験がないノンキャップが5人いる。きっと彼らもこうした経験をするのだろう。かくしてオールブラックスの「DNA」は、脈々と受け継がれていく。(田中 浩)


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